2022.4.30
アルミの豆知識
アルミニウムに代わる次世代合金マグネシウム
強度と軽さを兼ね備えたアルミニウム合金は、新幹線をはじめとした鉄道のほか、自動車や航空機などの輸送機器の構造材料として多く使われています。しかし、アルミニウム合金からの材質変更により更なる軽量化が実現できれば、輸送機器の燃費が高騰し二酸化炭素の排出量を大幅に削減できます。
そこで期待されているのが、アルミニウム合金の比重が3分の2と、実用金属の中でも最も軽いマグネシウム合金です。マグネシウム合金は、カメラのフレーム、パソコン、ロボットなどへの利用は拡大しているものの、室温での強度と加工性の面で課題があり、輸送機器への応用はなされていませんでした。
しかし、現在では、室温での強度と加工性を併せ持つマグネシウム合金の開発に成功しています。この開発されたマグネシウム合金の強度は新幹線の車体に使用されているアルミニウム合金をも上回ります。さらに、切削性としてもアルミニウム合金とほぼ同等となります。ただ、切削加工を行う上で注意点があります。マグネシウム合金の切削を行う際に、水溶性の切削液を使うと、錆びて変色が発生します。そのため、マグネシウム合金の切削を行う際は、ミストを吹き付けながら加工を行うなどの工夫が必要となります。
ちなみに、マグネシウム合金の価格は、アルミニウム合金の1.5倍~2倍となります。
このマグネシウム合金の実用化の最終目標は幅広い輸送機器への応用ですが、まず自動車部材への適用を目指して開発を進めているようです。アルミ切削.comではアルミニウムだけではなくマグネシウム加工にも力を入れておりますので何かございましたらぜひご相談ください。