2021.7.04
アルミの表面処理
アルマイト処理の豆知識① アルミとアルマイト処理について
アルミの表面は通常、空気中の酸素に反応してできた「酸化アルミ皮膜」にまとわれています。
アルミはこの「酸化アルミ皮膜」のおかげで表面が腐食しにくい金属ですが、手垢などの塩分や水分などが表面に付いた状態で他の金属に触れたまま放置されると、やはり腐食が進行してしまいます。
そんなアルミ表面にできる酸化皮膜の膜厚はたいへん薄くて傷つきやすいため、アルミ製品の表面を保護する事ができる「アルマイト処理」という表面処理法をご紹介します。
「アルマイト処理」とは、アルミに電気を通して表面を活性化させ、その際に発生する酸素にアルミ自体を反応(陽極酸化)させて「酸化アルミニウム」にする、アルミ専用の表面処理法です。
「アルマイト処理」は、さまざまな色に染色させてカラフルなアルミ製品に仕上げる事ができるので、例えば「スマホのボディ」や「やかん」など、身の回りの生活でよく目にする外観品に利用されています。さらには、アルミ製品自体の表面が硬くなるため、キズの防止や腐食防止にも活用されており、アルミ製品の付加価値を高めています。
「アルマイト処理」の方法は、硫酸やシュウ酸など電解液を貯めた槽に、対象のアルミ製品を浸して電気を流し、電気分解を行います。
その電気分解にかける時間の長短を調整しながら、アルマイト皮膜の厚みを決める事ができます。
電気分解にかける時間は長ければ長いほど、アルマイト皮膜は厚く仕上がっていきます。