2017.12.20
アルミの豆知識
なぜアルミは切削加工に適するのか?
今回ご紹介させていただくものは、アルミが切削加工に向いている理由です。まず、アルミですが、人によってさまざまな印象を持たれている金属になります。「軽い」や「つぶれやすい」など軽量感や強度に劣る印象を抱いている人が多く見られる一方で、「強い」や「丈夫」など先述の対義語とも言える印象を抱いている人もいられる金属です。そんなアルミですが、なぜ切削加工に向いているかを、今回の記事では紐解いてみたいと思います。
1.切削加工とは
まず、切削加工とはどのようなものでしょうか? 字の通り「切る」、「削る」という加工になります。そのため、プレス加工や成形加工と違い、様々な形状が作り出せ、かつ高精度の部品が作成できます。そのため、加工形状の応用範囲が非常に広く、形状が複雑になりがちな機械部品や実験装置などの製作に向いている加工法となっております。しかし、そんな切削加工にも短所があります。それは、複雑な形状になればなるほど、多くの刃物と様々な加工方法を用いることになるため時間とコストがかかりやすくなることです。
2.切削加工で加工できる材質
切削加工は金属、木材、プラスチックなど様々な材質の加工にも適しております。金属類だけでも、アルミを筆頭に、鉄、ステンレス、銅、真鍮、チタン、ハステロイ等があります。
3.アルミの特性と加工性
ここで本題、アルミの部分に入っていきたいと思います。アルミの特徴は右図に示している通り、とても多くその数は15個になります。その中でも、今回は特に切削加工時に適している特性を持ち出しながら、アルミの切削加工時の優位性をご紹介したいと思います。
①アルミは加工性がよい
1つ目はアルミの切削加工性が非常に良いという点です。アルミは複雑な部品でも精密加工に適しています。それは、塑性加工がしやすく、様々な形状で製作することが可能だからです。また、アルミ合金に対しては、切削液を供給することでアルミの加工性が高くなります。
②アルミは軽い
2つ目はアルミはとても軽いという特性です。アルミの比重は、鉄や銅と比べると約1/3です。そのため、軽さを生かすことで、摺動部・回転部品の生産の作動効率を高めることができ、製品の軽量化など様々な効果をもたらすことができます。
③アルミは強い
3つ目はアルミはとても強いという特性です。アルミは比強度が大きいため、プレス加工等は難しいとされています。しかし、アルミには被削性が良いという点があるため切削加工には適しています。そのため、最近のアルミの加工では、航空機や大型構造物用の部品として注目を集めています。